✔️ 不思議な話が好きな方向け

もう何年も経営しているので、その手の話が好きな方には有名であろう、長崎県にある喫茶店。その名も「四次元パーラー あんでるせん」。
喫茶店のマスターが織りなす数々の手品は、手品の域を超えて、彼は4次元に通じているのか?と思わずにいられない。
11月の旅行日和の週末、予約を入れられたのでぷい子を連れて初めての長崎へ。小雨がぱらつき、肌寒い。『長崎は今日も雨だった』という歌があるが、この地は雨が多いのだろうか。

あんでるせんの予約だが、行きたかった日は満席だったのだが、次の週にキャンセルが出たのでそこに入れて貰えた。
到着した日はハウステンボスに行き、翌日にレンタカーであんでるせんがある東彼杵郡川棚に向かって出発!ネットで見たら、予約していても並んでいると書いてあったのだが、早すぎたのか誰もいない。
開店前の時間と、着席してからマジックショーが始まるまでの時間はかなり待つので、本もしくはイヤホン+スマホ必須である。
誰もいないし外観の写真も撮り終わったしで、荷物で場所取りをすると、一階のプリクラコーナーを探索。地元の学生のメッセージボードへの書き込みを見ていたが、すぐに暇になった。
昭和な感じの駅周辺には、他に見るべきモノも無く…。すると女性二人が現れて、あんでるせんをバックにシャッターを押すのを頼まれた。この方達も予約なのだろうか。
予約の時間まであと5分くらいで喫茶店の従業員の女性が玄関まわりの開店準備で出て来た。ちょっとテンション上がります。その頃には並ぶ人も増えていて、いよいよ2階へ。
店内では、予約順に席が決められていて、先ほどの女性従業員が案内をする。カウンターのかぶりつきの席はマスターのマジックを直近で見られる特等席。シャッターを押すのを頼まれた女性二人組とは、隣りの席でした。
特に、ぷい子の隣りに座った方は初対面にも関わらず、前に会った事があるような感覚だった。そういう事って、たまに有りませんか?

メニューにあるカレーを頼み、待つこと1時間。運ばれて来て、食べ終わるとマジックショーが始まる。椅子を移動したり、集合写真を撮るように段差を付けて立ち位置を指定される。子どもが小さくても予約順のようで、ぷい子は伸び上がっても見えない…。

並んでいるうちに眼鏡をかけたマスターが出て来て、昭和なかほりのするジョークを交えて話し出す。なんとなく、雰囲気が普通でないような…。
来ようと思ってではなく、呼ばれたから皆さんはここに居るのだとか。
お客さん:40人ほど。それぞれ番号を渡される。
ネットで見て、なんとなくは知っていたが、これから飛び出すマジックは、何が何やら、不思議な事だらけであった。一部、マジックの動画で解説が有るのと同じのもあったが、後半は説明のつかない内容の物も。
- 壁に架かったハンバーガーのイラストから本物のハンバーガーを取り出し、食べていた。
- 百円玉を齧った。煙が出る。
- お客さんにちぎらせたトランプを額縁の中に投げ入れる。
- 途中で、香川県から来たお客さんに下の名前で呼びかける。(予約は苗字だけだったような)
- コーラのフィルムが中にボトルの中に入る。
- 投げたコインが瓶の中に入る。
- トランプのサイズが箱ごと小さくなる。
- お客さんの考えた数字を当てる
お客さん参加型で、やりたい人は手を挙げたり、番号が書かれた割り箸で指名されたり。ぷい子を抱っこしていて私は手を挙げられない。長いマジックショーの後半で、ぷい子が飽きてしまい、自分の元いた座席に行ってしまったので、「どなたか千円札を貸して…」「はい、はい」待ってましたとばかりに手を挙げると、私のお札を使ってくれる事に。
マスターが卵を手にしています。「これを割ると」生卵でした。カンカン・・・パカッと割ると、卵と共に千円札が出て来ました。卵にまみれた千円札…返されるのか? おぉ!っというどよめきをよそに、返される側の動揺が大きかったのだが、ぬれた状態では返せませんので、と別の千円札にマスターのサインを書いてくれた。え、使えなくなると思った瞬間、「これを持っていればお金が入って来ます」と言われて、皆さんの羨望の視線を感じます。いきなり千円札の価値が急上昇しました。
「さて、次は…カウンターの方、割り箸を一本引いて下さい」割り箸の先には番号が書いてあって、お客さんが引いた結果の番号で指名していく。
「36番。どなたですかー。」
ぷい子だったりして。ぷい子は37番号だから違う…いや、私じゃん! なんか立て続けにすみません。
「今から紙を渡しますから、好きな絵を描いて下さい」
実は長崎に発つ前の夜、お風呂に入りながら絵を描くマジックで指名されたら、どんな絵を描こうと考えながらシミュレーションしていた、ライオンの絵を描いた。画伯だけど、そこはしょーがない。
どこぞに監視カメラが有るかもしれないので、若干隠し気味に描いてみた。
「今日の朝、私は誰が何を描く、と予言をしておきましたので」とマスターは、黒い財布から折り畳まれた黄緑の紙を取り出した。
開くと…私のフルネームとライオンの絵が描かれている。どよめくお客様ご一行。電話予約の時に、名前は漢字でどう書くのかなど聞かれていない。ひぇー。
「この絵を描くのに選ばれる人は、この店に来る運命になっています」
私はブログを始めたら、この店の事を書こうと思っていたし、それを読んだ人には情報が伝わるから? 何か違う?

マジックショーが終わると、順番に並んで短い会話を交わし、くねくねと曲げられたフォークやスプーンを購入していく。フォークはさした先がアファメーションがどうとか説明していたが、理解できず。
肩こりなどがある人は、マスターの手先から軽い電気ショックのようなビリビリという刺激を発して貰う。二度目なのか、お礼の品を渡している人もいた。
家族に一つずつ買い、ぷい子はスプーン、私はフォークに自分の名前を書いて貰った。

荷物をまとめて、興奮冷めやらないままお店を出ようとすると、マスターから「また会いましょう」と言われた。
川棚駅の隣りのコインパーキングに行くと、店内で隣りに座っていた二人組の女性がいたので、話しかけて記念写真を一緒に撮って貰った。彼女のうちのBさんは資格試験を受けようか迷っていたのだが、それを話さないうちに試験を受けた方が良いと言われたそう。Aさんは私もよく見ているブログで、あんでるせんの存在を知ったそうて、「マスターは宇宙人ですよね。」と言っていました。否定出来兼ねる…
一期一会のお礼を言って、それぞれの帰路に向かいました。
(2020.05.16更新)